ポリマーの物性品質に生じたバラツキの要因分析
ポリマーの物性品質に生じたバラツキの要因分析
あるポリマー製品について、品質のバラツキに影響を与えている要因を、製造プロセスにおける各種条件やデータから分析しました。きっかけは、製造時の重合工程において、バッチごとに物性品質(粘度、サイズ、重さなど)のバラツキが発生したこと。従来手法では目標とする指標にあわせて、初期条件設定と反応器の温度設定によって品質をコントロールしていましたが、これらの制御による物質品質への影響や関連性は不明瞭でした。
品質不良を予測するAIモデルを作成することで、複数の製造条件の組み合わせから人には見つけられなかった関連性を見出せる可能性があります。品質安定に向けて、まずは物質品質に生じたバラツキの要因を分析しました。
※重合とはモノマー(単量体)やポリマー(重合体)を反応させてつなぎ合わせ、目的のポリマーを合成する化学反応のこと。原料となるモノマーやポリマー、製品化したいポリマーの種類や形状によりさまざまな重合方法が存在します。
[ プロジェクトのポイント ]
- バッチごとに原因不明の品質バラツキが生じた
- 品質予測するAIから、品質に影響する要因を見つけ出す
提示された課題
- 従来の制御方法では、物質品質にどのくらい影響を与えているのかが不明瞭だった
- 物性品質に生じたバラツキの要因分析により、設定値を最適化して品質安定化を目指したい
問題解決までのアプローチ
本プロジェクトは大きく3つのフェーズに分けられます。
1. 物性品質を予測するAIモデルを作成
数十の変数からなる物性値の変化データから、最終生成物の物性品質のバラツキを予測するAIモデルを作成します。
・インプット(説明変数):物性値の変化データ(波形データ) ※バッチ処理時に定点観測したもの
・アウトプット(目的変数):最終生成物の物性品質(粘度、サイズ、重さなど)
2. 物性品質に影響を与える変数を絞り込む
作成した予測AIモデルから重要な変数を絞り込みます。AIモデルの精度を評価しながら入力データにどのような特徴があるか(特徴量)を分析し、ポリマーの最終物性のバラツキに影響している変数の候補をいくつか洗い出します。
3. 最適化に向けて
特定した変数の最適値を算出します。将来的には、現場で調整することができる変数の最適値を割り出し、レコメンドするAIの構築を目指します。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 化学メーカー様
プロジェクト 提案事例
[ 関連リンク ]
AIカスタマイズソリューション
https://skydisc.jp/solution/