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  • 2019.09.13
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浄水設備における逆洗(ろ過フィルター洗浄)タイミングの最適化

中島工業の水処理領域にて、浄水処理に使用する、ろ過フィルター(ろ材)の洗浄タイミングを最適化するAIモデルを作成しました。本プロジェクトは、工場の水処理領域に豊富な経験を有する中島工業と、そのグループ会社でありAI・IoTサービスを専門とするAIエンジリニアリング株式会社とともに取り組みました。

汚れの溜まったろ過フィルターの洗浄には、浄化した水を逆方向に流して汚れを捨て去る「逆洗」という方法があります。機器の稼働データとセンサーで取得した水質データから、ろ過フィルターの状態を予測するAIモデルを作成。逆洗制御システムにフィードバックすることで、逆洗のタイミングを最適化しました。結果として、浄水・廃水設備負荷を低減させ、下水道料金のコストダウン・浄水の利用効率のアップにつながりました。

[ プロジェクトのポイント ]
・水質データから、ろ過フィルタの状態予測モデルを作成
・逆洗(ろ過フィルタ洗浄)タイミングを最適化した

提示された課題

・逆洗は1日1回、閾値ベースで実施しており、タイミングが最適化されていなかった
・一定時間ごとに実施するため、汚れを落とす必要がなくても逆洗に水を使用していた
・逆洗時にはろ過処理を停止するため、工場の生産性に直結する

目的

逆洗のタイミングを最適化する

 

問題解決までのアプローチ

本プロジェクトは大きく4つのフェーズに分けて進行しました。

1. アルファ版AIモデルを作成

機器の稼働データと水質データから、ろ過フィルターの状態を予測するAIモデルを作成しました。
・インプット(説明変数):機器の稼働データ(ポンプ電流、電圧など)、水質データ(pH、色度、濁度、残留塩素濃度など)
・アウトプット(目的変数):フィルタの状態により処理可能な総水量(残量)

2. AIモデル精度向上の取り組み

作成したAIモデルを実際に使用するためには、その予測精度を上げる必要がありました。そこで、以下の取り組みにより精度を向上させました。
【取り組み】
・より影響している説明変数の項目に学習データを絞る
・ろ過フィルターの性能限界データを取得する
・正確な数値データを取得するため、人がアナログ計で測定していた箇所に、最新のデジタル自動計測センサを導入

3. 実環境でのシステムテストと再学習

実環境下でシステムテストを行ったところ、AIモデルの精度が落ちることがわかりました。原因は、実環境のデータ分布とAIモデル作成時に使用したデータ分布の乖離が起きていたためでした。そこで、新たな計測センサを導入、追加でデータを取得しました。1ヶ月に1回のAIモデルの再学習を行うことで、実運用に耐えられる予測精度を実現しました。

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実環境でのシステムテスト結果。再学習により赤枠部分に変化が見られました

4. 逆洗タイミングを最適化

現在は測定した水質データから、ろ過フィルターの状態をAIモデルが予測し、逆洗制御システムにフィードバックするという自動制御を行っています。逆洗のタイミングは一定時間ごとではなく、ろ過フィルターの汚れの状態に応じて実施されるようになりました。結果、24時間に1回実施していた逆洗は、約50〜70時間に1回ほどに頻度を減らしました。これにより、浄水・廃水設備負荷を低減、および下水道料金のコストダウンを実現しました。

 

AI導入にあたってのポイント

予測結果をチェック

AIモデルの予測結果が適切であるかどうか、最適なアルゴリズムを利用して定量的に確認しました。本件では、実環境下でのデータ分布とAIモデル作成に使用したデータの分布に乖離が見られたため、実環境でのシステムテストに際してAIモデルの精度が低下しました。このようにデータ分布が大きく外れている場合は、AIモデルの再学習が必要になります。データ分布の変化を考慮して実運用を設計することが大切です。

 

手動介入できる仕組み

逆洗のタイミングは、ろ過フィルターの汚れの状態に応じて実施される自動制御になりました。自動化を実現した一方で、緊急時などにも対応できるように、人が手動介入できる仕組みも同時に整えました。

[ プロジェクト概要 ]
エンドユーザー 大手食品メーカー
パートナー 中島工業、AIエンジリニアリング
プロジェクト開始時期 2018年6月(現在進行中)

[ 関連リンク ]

スカイディスク・中島工業・AIエンジニアリングが水処理関連のスマートファクトリー化を促進する基本合意書締結
https://skydisc.jp/information/992/

スカイディスク・中島工業・AIエンジニアリング、水処理設備のスマートファクトリー化で協業(IoTNEWS 2018/01/16)
https://iotnews.jp/archives/82529

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