【書き起こしレポート】AIで越える2025年の崖 ~ものづくり経営のデジタルシフト(2/3)

AI×生産管理システム、広がる無限の可能性(2/3)

本レポートは、生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」シリーズの開発メーカーである株式会社エクス様(以下、エクス)が2020年8月4日(火)に開催したオンラインセミナーにて、エクスの代表取締役社長 抱(かかえ)氏と、弊社代表 内村によるテーマ対談を全文書き起こししたものです。
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データ中心のデジタルシフト

抱:はい、では2つ目です。これも内村社長から教えていただきました。「データ中心のデジタルシフト」について、内村社長よろしくお願いいたします。

内村:はい。最近ではAIについての理解もだいぶ深まっていると思いますので、こういった方はすでに少ないかもしれませんけれども。AIという言葉だけ聞くと、何となくドラえもんのように「人間が考えていることを勝手に汲み取って何でもやってくれる」みたいな、そんなイメージをされる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。しかし現状はまだそんなレベルにはなくて、ドラえもんのような、まさに人間のようなAIは「強いAI」と呼ばれていますが、今の技術ではまだまだ実現できないと言われているんです。

現在AIは、「強いAI」に対して「弱いAI」と呼ばれていまして、この「弱いAI」を動かすためには、データを渡す、そのデータに対して細かな指示を出す、ことも人間の仕事になります。
AIにとってデータの数と質は何よりも重要でして、適切なデータを渡さないと、AIはうまく機能しないんです。

人間の場合だと、パッと見てこれは不要だなと思うようなデータでも、AIに渡すと何か意味のあるデータだと考えようとしてしまいます。
ですので、データを収集するという仕事もそうなんですけれども、どのデータを渡すのか取捨選択するかということも、まだまだ人間に求められている仕事だったりします。

AI導入を考える前に、まずはどんなデータを収集するかを決めなきゃいけない、これは今からでも未来に向けて企業が考えていかなきゃいけないことかなと思います。

抱:なるほどです。どうしてもこのAIといいますと、アルゴリズムばかりが前にいきがちですが、やはりアルゴリズムを生かしていくためには、データ、その質と量、QualityとQuantityといいますが、そういうものが非常に重要であるということです。
そういう面で考えますと、データを供給する、例えばその1つがIoTでしょう。それから2つ目は、我々のようなアプリケーション、生産管理ですとか経理ですとか、販売管理、人事給与です。
ここについても、AIを活用することを前提としたデータの収集であったり格納であったり、場合によってはデータのクレンジングが重要になるという話でしょうか。

内村:そうですね。分かりやすいところだと、抜け漏れ、欠損があるようなデータだと、基本的にはうまくいきません。
そういった意味だと、エクスさんの生産管理システムの取引き部分のデータであるとか、他社と共通のフォーマットで適切にデータが蓄積されていると、今後、非常に活用できる可能性があるところなんじゃないかなと思います。

あと、AIがより適切に学習していくためには、データの質だけではなくて、当然、数もとても重要になりまして。
そういった観点で考えると、昨今のDXへの流れやAI活用が増えれば増えるほど、ビッグデータを持つ大企業と中小企業との格差がどんどん拡大していくような可能性もあります。そういった動きに対して、お互いがwin-winになるような形で他社とデータを介して繋がる、データを共有し合うことでお互いのビジネスを成長させていく発想が、多くの企業に求められていくと思います。

抱:なるほどです。自社のみのデータ活用、それは1つ大切なことですけれども、他社とのデータ共有、データ連携によってさらに新しい価値を生む。特にAIはそうかもしれないです。

僕らもよく、生産管理で「見える化」をよくやるんですけれども、自社の在庫の見える化とか、工程の見える化とか、原価の見える化です。
例えば、在庫の自社の回転率が見えたとしても、それが例えば、同業種全体の中でどの位置にあるのかというのが、これはマクロな見える化をすることで、自社のポジションを見て、そういうものの中から新しい価値が見つかるかもしれません。ですから、そういう面では自社のデータの活用のみではなく、他社とのデータ共有が広がる可能性もあるという話です。

それから、AIはアルゴリズムだけではなくて、質のいいデータ・量を供給する必要があるという中で、これまさにAI×生産管理の、データを含んだ役割というのが少し見えてくるような気がします。

その3に続く

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