【レポート】オンラインセミナー「製造業におけるAI×画像検品の落とし穴」でのQ&A公開します
【レポート】オンラインセミナー「製造業におけるAI×画像検品の落とし穴」でのQ&A公開します
製造業におけるAI×画像検品プロジェクトで陥りやすい"落とし穴"をテーマとして、2020年8月20日にオンラインセミナーを開催しました。
いざ製造業でAI画像検品のプロジェクトに取り組んだ際に、多くの方がつまずく失敗ポイントをご紹介。どうやったら回避できるか? を解説いたしました。
当日は200名弱の多くの方にご参加いただきました!ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
セミナー中のQ&Aコーナーでは、実案件で直面されているような実践的なご質問を多くいただきました。質問への回答をまとめたので、本ページでご紹介します。
セミナー中のご質問および回答
どんな画像データを取得すればいい?
- ⾼解像度の撮像データとは、どの程度の解像度?
- プロジェクトによって異なります。例えば「1pixelごとに0.05mmの精度でアノテーションしなければいけない」という案件であれば、それを要件として解像度を定めて撮像環境を整えていきます。要件を整理するところからお手伝い可能ですので、ぜひご相談ください。
- アノテーションは、モノクロ画像がベターということでしょうか?
- 前処理ではモノクロなど⼆値化することが多いです。あくまで特徴を抽出しやすいかでの判断となります。
AIに向いている課題? 向いていない課題?
- 画像検品において、AIに向かない課題とはどんな課題ですか?
- セミナーで紹介したAIは主に深層学習のものです。例えば「位置決め」や「計測」においては、ルールベースの画像処理でも⼗分な精度を出すことは可能です。また、ワークフローによっては演算量を多く必要とする深層学習のAIが向かない場合もあります。
検品対象物について
- 検品対象物はやはり「同じもの」である必要があるのでしょうか?⼤きさ・形状が少し異なる類似品をAI画像検品することは可能でしょうか︖
- 「同じもの」でなくても可能ですが、「少し異なる」レベル次第です。どの程度のレベルで異なるのかを確認した上で、同じモデルもしくは再学習したモデルで検品すべきかを検証します。
- 鏡⾯仕上げされている⾦属表⾯の、すれ等を検出するような画像処理は可能でしょうか? また実績があれば教えてください。
- NG(すれ等)の程度にもよりますが、画像処理は可能です。ただし、照明の反射影響が⼤きいため、レーザー変異計など別の⼿法の検討をおすすめします。
少量データの場合は?
- 1万件に1度(年間3〜4件)の異物混⼊であっても、損害が⼤きければAIを適⽤する価値はありますか? 件数が少ないため、異物の画像データを撮ること⾃体が難しいのですが。
- 損害が⼤きいようでしたら、検出できる仕組みを構築する価値はあるかと思います。ただ、おっしゃる通り、画像データ(=学習データ)の取得数がハードルになると考えられるため、検査基準を明確にしてAIではなく閾値を設定したルールベースでの対応や、教師なし学習の適⽤などが考えられます。
整えるべき撮像環境について
- 学習用データ作成に、部品の向きも影響するとすれば、光や背景も影響するのでしょうか。するとすれば条件が膨⼤となり、精度検証や分析等が⾮常に⼤変になると思うのですが、実情はどうでしょうか?
- 部品の向きは極端な例ですが、光や背景など対象ワーク以外の条件が異なる場合はAIの学習に影響が出てしまいます。光や背景が一定となるような撮像環境の構築する必要があります。
撮像環境の構築が難しい場合は、光の影響が少ない前処理⼿法や背景を除去できる画像処理⼿法などを検討する必要があります。スカイディスクでは撮像環境の構築から対応可能です。ぜひご相談ください。