機能化学品を製造する三洋化成工業が、生産計画DXにAI×SaaS生産スケジューラ「最適ワークス」を導入
複雑な洗浄条件のある生産順序の計画を自動立案し、計画業務の効率化・属人化解消を目指す
国内製造業のDXを支援するスカイディスク(本社:福岡県福岡市、代表取締役CEO:内村 安里、以下「スカイディスク」)は、界面活性剤・やウレタン樹脂原料など高吸水性樹脂をはじめとする3000種類におよぶ機能化学品を開発・製造する三洋化成工業株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長 兼 執行役員社長:樋口 章憲、以下「三洋化成工業」)の名古屋工場の製造ラインにおいて、生産計画業務の効率化・属人化解消のために製造業向けAI×SaaS生産スケジューラ「最適ワークス」の導入を開始したことをお知らせします。
三洋化成工業は今回の導入によって、製造における諸条件を考慮して作成していた生産計画の立案・修正業務の業務負荷を軽減するとともに、作業標準化により属人化リスクを解消します。
製造業において生産計画とは「何を、いつまでに、どれくらいの量を生産するのか」に関する計画のことを指し、納期などの諸条件を満たすように計画を立てる必要があります。
「最適ワークス」は、あらかじめ設定した条件を加味して、AIが生産計画を立案するAI×SaaS 生産スケジューラです。直感的な操作で設定条件の変更や修正ができるため、属人化しやすい計画立案業務の効率化、最適な生産計画による生産性向上を実現します。
導入の背景
三洋化成工業は、コア技術である界面制御技術を軸に、ヘアケア用界面活性剤、化粧品原料、樹脂、・ゴム用添加剤、塗料用樹脂、接着剤、医療機器、化粧品原料など、多様な機能化学品を幅広く開発・製造しています。また、新たな材料・製品の研究開発にも積極的に取り組んでいます。
多岐にわたる製品群は、それぞれに特有の工程や製造条件が存在します。また、製品の生産順序によって、設備の洗浄条件・洗浄時間(段取り時間)が変動するなど、考慮すべき諸条件は複雑化しています。
同社では、既に他社製の生産スケジューラ(計画管理システム)を導入していましたが、導入から月日が経ち機能に詳しい人が少なく十分に活用できずにいたため、導入初期から使用しているガントチャートとしての活用にとどまっていました。
従来、諸条件を満たしながら、なるべく段取り時間を短縮する生産順序については、担当者が頭の中で考慮しながら日々の計画作成を行っており、緊急での計画変更が発生した際には、複雑化した計画立案は大きな業務負担になっていました。
また、特定の担当者が計画立案業務を担っており、属人的な業務であることに課題を持っていました。
こうした背景から、スカイディスクが「最適ワークス」を提案し、2023年3月より導入の運びとなりました。「最適ワークス」は、特有の製造条件をデータとして設定しておくことで、担当者に代わって条件を考慮した生産計画を立案します。
生産計画DXへの取り組み・期待する効果
三洋化成グループはさらなる持続的成長を目指し、2030年のありたい姿に向けた経営方針として「WakuWaku Explosion 2030」を掲げています。従業員一人ひとりがワクワクできる会社を実現する活動のひとつとして、生産現場改革に関する活動方針を策定。その中に「ヒト・モノ・情報をつなぎ工場全体を最適化」していくことを挙げています。
そんな中、生産情報の起点となる「生産計画」は、非常に重要な役割を担います。最適な生産計画の立案は、効率的な生産を可能にすることに加え、製品の安定供給、在庫の適正化、余剰人員の抑制など、さまざまな波及効果が期待されます。
三洋化成は、まずは、これまで計画担当者が頭で考慮していた制約条件を整理し、最適ワークスに設定することで、属人化リスクの解消とともに、日々の生産計画立案・修正業務の負荷を低減します。さらに、生産計画に関するデータを集約することで、中長期的な計画の改善活動を行う基盤構築を目指します。
生産計画立案業務へのツール導入の課題
製造業では近年、多品種少量の潮流により生産計画が複雑化しています。製造過程では製品ごとに異なる製造条件により、人間の頭では考慮しきれない多くの条件を考慮して生産計画を立案する重要性が増しています。
しかし、スカイディスクが製造業従事者350名以上を対象に実施した「生産計画へのツール導入に関するアンケート」によると(※1)、実に80%以上が「未導入」「検討中」「過去に検討したが諦めた」と回答しており、本分野でのデジタルツール活用が進んでいない現状があります。また、ツールを既に導入した企業でも、その90%以上が「運用に課題がある」と回答しています。
導入が進まない要因のひとつに、要件定義の難しさがあります。生産計画立案業務にツールを導入する際には、製造条件をシステムに設定する必要があります。しかし、実際の製造工程や製造条件を、すべて明確に定義してシステムに設定することは、非常に難易度の高い業務です。
「最適ワークス」では、設定変更を簡単にする部分にAI技術を活用しています。計画担当者がアウトプットを見て初めて気付くような、長年のノウハウ(暗黙知)が製造現場にある前提で開発されており、改善の過程で言語化されたノウハウを追加設定していくことで正確な要件定義に到達します。スカイディスクでは、「最適ワークス」で高速でPDCAを回して理想の生産計画立案に辿り着く、スモールスタートでのツール導入を推進しています。
AI生産スケジューラ 最適ワークス
「最適ワークス」は株式会社スカイディスクが開発・提供する、製造業向けAI×SaaS生産スケジューラ(生産計画自動立案システム)です。「いつまでに、何個、どの製品を」というオーダー情報から、AIが設備稼働・人員配置の割付け計画を瞬時に立案します。
独自開発エンジンにより、マスター設定にかかる手間を劇的に改善。製造業各社がスモールスタートできるサービスを実現しました。
製品サイト:https://saiteki.works/
三洋化成工業株式会社 会社概要
会社名:三洋化成工業株式会社
本社所在地:京都府京都市東山区一橋野本町11-1
代表者:代表取締役社長 樋口 章憲
設立:1949年11月1日
事業内容: 3000品種におよぶ機能化学品の製造・販売
従業員数:2,106名(2022年12月30日時点)
会社サイト:https://www.sanyo-chemical.co.jp/
株式会社スカイディスク 会社概要
2013年の創業以来、製造業を中心に200社のお客様と450以上のプロジェクトに取り組んできました。そこで得た知見・ノウハウをサービス・プロダクトとして世の中に還元することが私たちの使命だと考えています。「ものづくりを、もっとクリエイティブに」をミッションに、人が人にしかできない創造的な仕事に打ち込む世界の実現に向けて、AIを活用したDX支援に取り組んでいます。
本社所在地:福岡県福岡市中央区舞鶴2-3-6 赤坂プライムビル4F
代表者:代表取締役 CEO 内村 安里
設立:2013年10月1日
事業内容:AIを活用したDX支援
会社サイト:https://skydisc.jp/
<注記補足>
※1 生産計画へのツール導入に関するアンケート…製造業従事者 352名を対象に実施(期間:2021年10月〜2022年6月)。生産スケジューラの導入状況について、導入前(未導入・未検討:35.2%、導入検討中:27.6%)が6割超。導入の前後で課題にぶつかった企業(未導入・過去に検討したことがあるが諦めた:18.5%、導入済・運用に課題がある:17.3%)が約4割を占めました。「導入済・運用もうまくいっている」と回答したのは僅か1.4%に留まりました。
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【SKYDISC】プレスリリース_20230411