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  • 2019.10.01
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機械から異音が発生する原因と異音検知する方法とは

機械から異音が発生した場合、殆どは工場のラインを止めるなどの対処が必要です。そのため、非常に損失が大きくなることも少なくありません。この記事では、異音が発生する原因と異音検知を機械学習で行う方法やメリットについて焦点をあてていきます。

 

異音が発生する仕組みとは

機械から異音が発生する原因の多くは、機械及び部品の不良や異常にあります。異音が発生する仕組みは、例えば、ギアが回転する機械などで回転に異常が起き、うまくかみ合うことができなくななると、異音が発生します。加えて、ギアの傷や異物混入も異音が起きる原因です。

そして、ファンや送風機などの回転体を持つ機器の場合は、ベアリング異常・ロータの接触などにより異音が発生することも多くあります。

このように、異音が発生している場合は、機械が正常な状態ではないケースが殆どです。そのため、異音を放置することで機械のさらなる故障を招く可能性があります。最悪の場合、機械が使用不可能になるため、注意が必要です。

 

異常音を自然検知することの難しさ

機械の異常音は、破裂音などの大きな音であれば、誰でも気付くでしょう。しかし、僅かな機械の異常音を自然に検知できるのはベテランの技術者に限られており、これまでの工場生産現場における機器の保全・点検はベテラン技術者の経験や勘が頼りでした。

しかし、今後はベテラン技術者に頼った業務遂行は難しくなることが予想できます。少子高齢化に伴う労働人口の減少や退職に伴い、ベテランの技術者が減少しているためです。経験のない技術者では異常音に気づかず、故障まで異常に気付かない場合も多いと予想できます。

正常な音と故障時の異常音を人間が聞き分けるには、長年の経験が必要となるため誰でも可能なことではないといえるでしょう。

稼働音から異音を検知する方法

現在は、異常音検知の分野でAIを使用したサービスが注目を集めています。従来のベテラン技術者に頼っていた異音検知方法とは大きく異なります。AIを利用した異音検知について解説します。

正常音と異音の違い

機械が正常に動いている時の音が正常音で、不具合などの原因により発生する正常ではない音が異音となります。

異音を聴感的な傾向で分類すると、基本的には2種類に分類されます。その音は、稼働音全体が大きくなる音(ギャー音)と周期的なノイズが混じる音(ガタ音)です。正常音と異音をマイクで録音した波形を比べてみると、ギャー音は全体のレベルが大きいものです。対して、ガタ音は、レベルは小さいものの、波形に関しては周期的に突起があるような状態になります。

しかし、正常音についても、一定の波形レベルを常に保っているわけではないため、このような波形だけを見て異音だと判別することは困難です。

そこで、AIを用いて正常音を正常な状態(通常状態)として学習します。例えば、入力された音と通常状態の音を比較して、異常値が低ければ正常音と判定、異常値が大きい場合は異常と判定されるため、異音と認識できるようになります。

正常稼働音のみを学習データとする「異音検知技術」

音を手掛かりに機器の異常を検知することが困難な背景にはいくつかの理由があり、異常音の収集が難しいこともその理由の1つです。

前例として、機械学習の技術が進歩しているため、機器の正常音と異常音を大量に収集し、判別結果の正解率を最大化するような判別ルールを学習する方法が考えられたこともありました。しかし、機器が故障する頻度が低く、故障の仕方や壊れ方もさまざまであるため、機械の異音を大量に収集することは困難です。そのため、この方法は現実的な方法ではありません。

また、異音検知には騒音への対応も必要です。製造工場などの環境下では、異常を検知したい機械の他にも多くの機械が稼働しており、その稼働音が騒音と判断され、検知したい音の収集を妨害します。周りの機械の稼働音と比べ、検知したい機械の稼働音が大きくない場合もあるため、異音を検知するためには騒音への対処が必要です。

このような問題を解決するために開発された技術として、正常稼働音のみを学習データとして検知する「異音検知技術」が挙げられます。

異音検知技術は、収集が困難な異音状態の音を集めず、正常な稼働状態の音だけを使用します。具体的には、正常な稼働音のみを収集してAIが学習を行い、対象となる機器特有の正常音と判定したい音の音響特微量を比較したうえで、正常音からの乖離がどの程度なのか計算するという方法です。正常音からの乖離がそれほどない場合は正常、乖離が一定の範囲を超えると異音、と判定することが可能となります。この技術であれば、音響特微量が正常音と差異があるのか判別するだけであるため、異音の種類に関係なく判別できます。

また、騒音に関しては、現在ノイズキャンセルやフィルタリングにより、環境音や雑音を除去することが可能です。異音検知技術を用いた場合、設備機器周辺にマイクを設置すれば、異音を検知することができるため、検知方法も難しくはないといえるでしょう。現在、AIを用いた異音検知技術は進歩しており、導入を検討する企業は増加傾向にあります。

異音検知を機械が行うことのメリット

異音検知を機械が行うメリットは多数あります。従来であれば、異音検知はベテラン技術者の経験や勘に頼って行われてきたものの、少子高齢化や退職などによって、そういった人材は減少傾向です。また、人が異音検知を行う場合、判断基準が異なる場合があるだけでなく、診断漏れが起こる可能性があります。

しかし、AIであれば、機械の稼働音を定量化して判断するため、判定基準が一定となり、精度の高い異音検知が可能です。また、AIのメリットとして異音検査の自動化、常時監視が可能となるため、診断漏れがなく、検知される異音は、画像や音声データなどともに管理者の元にメールで通知されます。結果として、機械の現状把握が容易になるため、重大な故障が起きる前に修理を行うことが可能となり、急に生産ラインがストップするような事態が発生しにくくなるというメリットにつながります。

機械音から潤滑状態の把握もできるため、機械の適正なメンテナンス時期を知ることができるだけでなく、メンテンナスの間隔を伸ばすことも可能でしょう。そのため、機械・プラントメーカーなどでAIによる異音検知の導入が進んでいます。現状では、技術者などが耳で異音検知を行っているケースもあるものの、これらメリットが多いことため、異音検知をAIで行う企業はこれから増えていくでしょう。

プロフィールイメージ

千歳悠ライター

2015年からライターとして活動。現在では金融・IT・ビジネスを得意とするライターとなる。客観的に物事を見たうえで、難解で分かりにくいものをわかりやすく伝えることを心掛けている。

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